この記事の結論:NISAとidecoでインデックスファンドを積み立てよう
前回までの記事で、株式投資のやり方を説明しました。
ポイントをおさらいすると、
★インデックスファンドを買うのが賢明なやり方
★積立買い付けが無難な買い方
★投資は余裕資金でやろう
でした。
今回からはより実践的な話に移ります。
◇まずは証券会社を選ぼう
投資信託は銀行でも買えますが、低金利で経営状態の苦しい銀行は
高コストで劣悪な投信を手数料稼ぎのために販売しています。
僕はネット証券で口座を開くのがBESTだと思います。
ネット証券3社は以下です。どれでも良いです。好きなところを選んでください。
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
僕はSBI証券を使っています。提携の住信SBIを使えば、米ドルが安く手に入るからです。
◇証券会社で開くべき口座は・・・
3つあります。3つとも開きましょう。
①特定口座(源泉徴収有)
②NISA口座
③ideco(確定拠出年金)
課税口座には一般口座と特定口座があります。
一般口座は利益を上げた際、自分で確定申告をする必要がありますが、
特定口座はその必要がありません。
確定申告は色々面倒なので、面倒くさいと思う方は特定口座(源泉徴収有)を選択して下さい。
NISA口座は2018年より2種類になります。
NISAとつみたてNISAです。
違いは以下です。
一般NISA | つみたてNISA | |
投資可能額/年 | 120万円 | 40万円 |
非課税期間 | 5年 ロールオーバーで10年保有可能 | 20年 |
対象商品 | 国内株式・海外株式・投資信託 | 国が選んだ投資信託 |
後で、スイッチする事も可能です。
ideco(確定拠出年金)
idecoは個人が年金を作るための制度です。
積立投資は長期にわたる投資が前提です。
年金形成は20年、30年という長期間にわたります。
給与天引きによる投資資金を確実に確保する仕組みと
長期積立投資は非常に相性が良いです。
また、掛け金は全額所得控除の対象になり、節税になります。
メリットが多い制度なので、是非活用するべきです。
②③は売却時の課税がゼロというのが最大のメリットです。
普通なら、100万円儲けたら、20万円は税金で持っていかれますが
NISA、idecoならまるまる自分のものです、非課税口座をフル活用して自分の資産形成に役立てましょう。
まとめると、積立は以下の口座で行いましょう。
つみたてNISA口座
ideco
本格的に、株式投資をしたい人は一般NISA口座を選択し、
特定口座+idecoで積み立てても良いと思います。
また、つみたてNISAが始まるまでの繋ぎとして、
特定口座+ideco
で積立をするのも良いと思います。
◇積み立てるインデックスファンドを選ぼう
株式のインデックスファンドは大きくわけて3つあります。
日本株
先進国株
新興国株
インデックスファンドをベンチマークのインデックスに連動する成果を目指す商品です。
パフォーマンスの違いはほとんど無く、商品を選ぶ決め手はコストだけです。
購入手数料無料(ノーロード)は当然で、できるだけ安い信託報酬のものを選んでください。
最近は安いインデックスファンドがどんどん出てきていますが、0.01%の表面上のコストは、気にしても仕方が無いので、どんどん乗り換えたりはしないように。
(表面上安くても、規模が小さいと、実質コストが高くなりがち)
一例です。
日本株式 | たわらノーロードTOPIX |
先進国株式 | たわらノーロード先進国 |
新興国株式 | たわらノーロード新興国 |
◇グローバルに投資をしよう。
どの資産に、どのくらい資金配分するか?をアセット・アロケーションと言います。
投資のリターンはその90%がアセットアロケーションで決まると言われています。
日本人だからと言って、日本株100%の資産配分はハイリスクなのでやめましょう。
例えば、仕事でエクセルを使っている人は多いと思います。
エクセルはマイクロソフト(米国)の製品です。
SNSも色々ありますが、facebookもインスタグラムもfacebook(米国)のサービスです。
もし、シャンプーはDoveなら、ユニリーバ(英)の製品です。
格安スマホを使っている人もいるでしょう。
スマホ内のCPUは主にtsmc(台湾)で作られています。
このように、日本企業の製品だけで生活している人はいません。
それにも関わらず、投資先を日本に絞るのはナンセンスです。
とある数字を示します。
世界各国の時価総額(株式市場の大きさ)を示します。
アメリカが圧倒的で約半分です。日本は2位ですが、わずか7%程度です。
世界各国のGDPを示します。
日本は第3位ですが、世界に占める割合は7%ほどです。
せっかく、世界中に投資できるツールがあるのに、
わずか7%の日本に投資先を絞ると、残り93%の収益機会を無視する事になります。
世界経済に占めるシェアを考えれば、
アメリカを中心に添えつつ、BRICSなどのこれから成長する新興国など、様々な国に投資するのが良いと言えるでしょう。
◇ポートフォリオ一例
ポートフォリオ(資産の組み合わせ)の一例を示します。
例えば、現在の株式市場のシェアに沿う形で資産配分すると、以下の様になります。
(細かい比率のずれは気にする必要ありません)
日本株:1
先進国株:7
新興国株:2
人口が増える新興国に未来を感じ、日本に悲観的なら以下のような例もあるでしょう。
先進国株:5
新興国株:5
一度、資産配分を決めたら、リバランス(配分が崩れたら修正する事)を実施します。
リバランスの重要性を以下のグラフで示します。
以下のグラフは25年間(1992~2016)、アメリカ株式と新興国株式のインデックスファンドに
毎年60万円積み立てした時のシミュレーションです。
リバランスのやり方は、比率が崩れて、6:4になったら、
片方の積立を止めて、もう片方のみ買い付け、1:1に戻ったら、両方買い付けに戻す
と言うやりかたでリバランスしています。
新興国株はものすごく上がる事もあれば、ものすごく下がる事もあることが分かります。
新興国株の割合が増えると、資産がジェットコースターするようになります。
リバランスする事で、資産の変動幅を一定に保ちつつ、確実にリターンを上げていけます。
リバランスは頻繁にやる必要が無く、1年に1回、ある程度ずれていたらで十分だそうです。
あまり、難しく考えず、「新興国の割合が増えてきたから、先進国の買い付けを増やそうかな」
程度の認識で十分です。
◇最後に
投資は誰かとの競争ではありません。
自分の資産を増やすための手段の一つにすぎません。
プロの投資家は市場平均に勝つ必要がありますが、個人投資家はそんな事を気にする必要は無いです。
規律を持った運用をすれば、普通預金では得られないリターンが得られます。
規律を守れているか?この1点だけを気にして、ひたすら積み立てましょう。