◇ドル円はアメリカの都合で何とでもできる
米国の要人が為替について様々なコメントをするせいで、
為替が乱高下している。
投資家は「いいから黙ってて」と言いたいだろう。
日本人投資家はいい加減に気付かなければならない。
「ドル円はアメリカの都合で何とでもでき、日本側からは何も働きかける事ができない」と
◇ドルは安くなる運命にある
米国はドル安になりやすい構造を持っている。
純債務国であり、恒常的な貿易赤字だ。
基軸通貨ドルが更に通貨安を誘発する。
普通の純債務国は貿易赤字を継続させる事は不可能だ。
外貨準備が無くなってしまう。
外貨準備が無くなると、通貨切り下げのターゲットになる。
輸入品が高騰し、輸入が出来なくなるのだが、
代わりに輸出が伸び、貿易黒字へと転換する。
そうすると、通貨がだんだんと強くなり、元に戻るのだ。
しかし、米国は違う。
外貨準備が不足するなんて事はありえない。
貿易に必要なドルは自国通貨だから、刷れば良い。
赤字を補うための通貨印刷が更なるドル安を導いてしまう。
ドルはマクロ要因により安くなる運命にある。
◇円高は必然
日本は米国とは真逆だ。
純債権国であり、恒常的な貿易黒字だ。
どちらも通貨高要因だ。
諸外国が日本にお金を返す時、円建なら円買いを行う必要がある。
外貨でそのまま返すパターンもあるかもしれないが、
日本国内で使うにはやっぱり円買いが必要だ。
貿易黒字は円買い需要だ。
輸出企業の給与は円で支払われるからだ。
◇円高ドル安は宿命
円高ドル安は宿命的トレンドなのだ。
ドル高は米国経済に余裕があり、米国が許容してくれる時だけ。
米国は円高ドル安へ簡単に導ける。
金融緩和を行うだけだ。
日本はマイナス金利まで導入している。
これ以上緩和余地が無い。
楽観的な円安主義者はもう一度考え直した方が良い。
長期円安に賭けてはならない。
逆で、円高を如何にヘッジするかを考えなければならない。
◇まとめ
日本人の米国株投資家は宿命的なトレンドである、円高ドル安から逃れる事はできない。
BUY&HOLDは難しい。
円高が精神を折るだろう。
JNJだって、リーマンショックの最大ドローダウンは円建で-45%もある。
「ディフェンシブ株だから無傷♪」
甘ったるいクソみたいな妄言は無視すべきだ。
これに耐えられないなら、ある程度のところで売って、円にするか、
為替ヘッジをしつつ、債券に移行するか。
そういった事が必要だろう。
市場平均に負けても良いではないか。
究極の目的は市場平均に勝つことではなく、資産を増やす事なのだから。