いい男の株式投資やらないか

平成生まれのいい男が株式投資を実践するブログ

高校野球は日本の縮図

地味にバズッた。
今回は炎上してないのでホッとしている。

高校野球は日本社会をよく表している。
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保身を図る責任者

監督というのはチームの長だから、責任を取る必要がある。
ところで、会社における不満として多いのが上司が責任を取ろうとしない
というものがある。

端的に表してくれているのが初回送りバントだ。

送りバントの成功率は高くない
バントは一見簡単そうに見えるが、実は難しい。
プロでも50~60%程度の成功率だろう
世界記録保持者の元巨人の川相選手でさえ失敗するのだ。
特に金属バットでは打球の勢いを殺すのが難しい。

しかも、無死一塁の得点期待値のほうが、一死二塁よりも大きい

必ず成功するとも限らない得点期待値を下げる作戦を
高校野球の監督は早い回から好んで使う。

なぜかと言うと、保身という面で完璧だから。
バント成功して、次の打者がランナーを返せば作戦成功に見える。
バント失敗すれば選手のせいにできるし、
成功しても次打者が凡退すれば選手のせいにできる。

データよりも感覚を重視する

これも早い回での送りバントが示してくれている。
なぜ、早い回で送りバントをしてしまうかというと、
次のようなオーダーを組んでいるからだ。

1番打者:足が速くてヒットが打てる
2番打者:バントが上手い
3番打者:打率が高い
4番打者:長打力がある
5番打者:3番、4番よりワンランク落ちる打者。

打者の単純な打力を並べると
4>3>1>5>2だ

打順の重要性は統計から次のように判明している

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1=4=2>3>5

つまり、高校野球で組まれてるオーダーは統計的見地から間違っている。
3番打者に置いている打者を2番に置いて、5番打者を3番に置くのが正しい。

打順の組み方が間違っているから間違っている戦略を使わざるを得ない
GoogleやMicrosoftのクラウドをセキュリティ上の懸念から禁止して、
わざわざ自社開発のイケてないシステムを使うのとも似ている。

日本のプロ野球でも2番坂本だったり、2番筒香という
2番強打者論が当たり前になりつつある。
ところがいつまでたっても2番に送りバントさせるのが高校野球だ。
データよりも自分の主観を信じている
ちなみに日本の経営者は世界的に見て極めて無能という結論が出ており、
調査対象の63か国の中でデータを使って判断する能力が59位

toyokeizai.net


データを無視して、主観で決めてしまうから、間違った判断をしてしまう

送りバントをさんざんディスってきたが、有効な場面は存在する。
送りバントは2点取る確率は下げるが、1点を取る確率は上がる作戦。
1点とれば勝ちが確定、ほぼ確定する場面では有効。
例えば、9回裏の無死一塁など。

素人指導者

高校野球の監督はみんなアマチュアだ。
なぜかというと、プロアマ協定で元プロは高校生を指導できないから。
また、野球専門の指導者ライセンスなどはない。

他のスポーツはどうか?
例えば、サッカーはライセンス制度がある
ライセンスも一定期間内に講習を受けて更新しないと失効する仕組みになっている。
サッカーを全くやったことが無い人でも部活動の顧問ができるような
ガイドラインをJFAは用意していたりもする。

ガイドラインを守るかどうかは別として、
昭和脳に侵された独りよがり指導者の独断と偏見に
学生がさらされないように少しでも配慮しているあたりが野球とは違う。
サッカーにプロアマ協定は無いため、元プロが指導者ライセンスを取って
学生にコーチするような事もあるらしい。

サッカーは戦略が勝敗を決める事も多い。
監督が代わると急に強くなった。Jリーグでもよくある事だ。
ところが、野球は投手vs打者の力関係で試合が大方決まってしまう。
監督の采配が勝利に結びつくような場面はあまりない。
特に投手の力が占める部分は大きい。

甲子園に行くような学校は、エースが絶対的な力を持っており、
地方大会レベルではほとんど失点を許さない。
監督の力ではなく、一人のエースがチームを甲子園まで導く。
まともな指導が無くても、エースが相手打者を完璧に抑え、
ホームランを打てば甲子園出場は可能
だ。

甲子園に出場するから、翌年に才能のある選手が集まる
才能がある選手が集まるから強い。
野球は選手各々の力の差をマネジメントでどうにかするのが難しい。
ところが、監督の組織づくりが評判になって選手が集まった事になるから、
素人指導者がいつまでも大きな顔をすることができる。

体調無視の過密スケジュール

必ず球数が話題に上がる。
決勝まで行けば、1か月弱の期間で800近い球数に達する
プロの先発投手でも1週間に1回、1か月で4~5回しか登板しない。
先発完投型の投手でも1か月で600球程度になるはずだ。
高校生に1か月弱で800球投げさせることがどんなに異常な事かわかるだろうか?
しかも甲子園のマウンドは38度の炎天下だ。
プロ野球はナイターだ。

甲子園で投げぬいてプロやMLBで活躍している投手もいるじゃないか?
このような反論はあるかもしれない。
これは単なる生存バイアスだ。

2006年優勝投手の斎藤佑樹は活躍しているか?
パッとしない。
楽天に入団した安楽投手はプロ入り5年で5勝しかしてない。

日本で頂点に立つ選手でさえ、故障防止のため、
100球前後で降板するし、日中38度の中で全力投球したりしない。
これだけでも高校野球の異常さがわかるだろう。

さて、日本に話を戻そう。
残業ありきのスケジュールで仕事が組まれていたりする。
風邪をひいても会社に行かなければいけない。
災害時でも出勤させようとする。

38度炎天下のマウンドでの連投ほどではないかもしれないが、
根本にあるものは同じだ。

自己犠牲の過剰賛美

高校生らしいプレーと聞くと、何を思い浮かべるだろう。
主力打者でもバントして次の打者に繋ぐ姿勢だろうか?
チームのために故障のリスクを負って、力投するエースだろうか?

要は自分を犠牲にしてチームのために働く姿勢が非常に好感される。
解説者もこのようなプレーを褒め称えるため非常にたちが悪い。
プロパガンダと言われてもおかしくない

160km/h剛腕投手、佐々木投手は地方大会決勝で投げなかったが、賛否両論があった。
彼は間違いなくプロから指名されるだろうし、MLB挑戦も可能だろう。
彼の右腕の潜在価値が数十億円、あるいは100億円を超えるかもしれない。
そのような彼の将来を考慮し、監督は決勝で登板させないという英断を下した。

投げさせろと言っている奴は頭がおかしいのではないか?
彼の輝かしい将来を犠牲にするリスクを背負わせてまで、
チームを甲子園に連れて行くのが、彼と指導者のすべき事だと言いたいのだろうか?

甲子園出場はもちろん目標だっただろう。
チーム全体の目標でもある。
無茶をしてでも本人は投げたいという。
だからこそ、生徒の将来を見据えて、投げさせないというのが
良識ある大人のすべきことだ
ろう。

プロの指導者や医者は(甲子園で見てみたかったと言いつつも)
今回の判断は正しいと肯定している。
一方で、別の高校の監督は私なら投げさせたと発言している。
(ちなみに張本は指導者経験が無いので、プロの指導者とは言わない

日系企業も労働者に過剰な自己犠牲を強いる
労働者の生活基盤を無視した転勤。
プライベートや健康を犠牲にする長時間残業を前提とした人員配置
完全に違法だがサービス残業もここに含まれるだろう

自分を犠牲にして組織のために働け

この思想はいい加減に古くなってほしいが、
高校野球というプロパガンダを通して毎年全国に発信されていく

球数制限がいつまで経っても導入されない理由もここにある。

甘い汁を吸う利権団体

高野連の純資産は17億円だ。
高校野球というビジネスでこれほどまでの
巨額の資産を積み上げながら、自分に不利な決定は一つもしない。
大会スケジュールの過密日程はいつまでたっても解消されない。

甲子園というのは巨大なビジネスになっている。
主催する朝日新聞にも莫大な富をもたらしているだろう。
また、周辺の宿泊施設にとっても一大ビジネスだ。

たんなる高校野球の全国大会なのだから、甲子園でやる必要もない。
49校のトーナメントを一か月弱でやるのがそもそも無理なんだから、
県予選の次に地方予選でも行って、甲子園に出場する高校も10校くらいに絞れば、連投する必要もない。
予選の時期だって前倒し可能だ。
現に沖縄は梅雨入りの関係で予選スケジュールが前倒しになっている。

学生を故障から守るための仕組みなんて考えればいくらでも出てくるが
甲子園に49校が集って過密スケジュールでトーナメントを行うのが
主催団体にとっておいしいシステムのため再考されることは無い

甲子園に出場するだけでも名誉でしょ?
という理屈から儲けた金が野球界のために還元されることも無い

日本の有名な利権団体と言えば、財務省だろう。
IMFやOECDが消費税率についてしきりに内政干渉してくるのは
財務省の天下りポストだからだ。
税のシステムがとても複雑になっているのは、複雑にすることで
より多くの利権が生まれ、財務省官僚にとって得だからだ。
元々、税金というのは国民が汗水たらして流して稼いだ金の一部。
その金をもらって生きているのなら、
当然、国民に還元されるような使い道を考えるべきだが、
省益の拡大にしか使われることは無い

高野連の金が高校球児に使われることが無いのと同じだ。

まとめ

このように高校野球は日本の社会の問題点を如実に表している
挙げていくとキリがない。

巧みに責任回避する手法の例、データを軽視するマネジメントなどはまだ良い方だ。
プロアマ協定という障害を作ることで、プロ指導者が入ってこれない
参入障壁の作り方は見事としか言いようがない。
高校球児の全力プレーという綺麗な一面を利用する事で、
富の拡大とプロパガンダを流す利権団体の存在はぶっ壊すべきだ
ろう