頑迷な割安株投機家

2020-07-14

コロナショックから何事も無かったかのように株価は戻った。
割安株投機家は嬉々として、底で売らないのは正解だの、
悲観せずに買い向かったバリュー投資家の勝利だの騒いでいる。
現実を直視しない彼らの上から目線の戯言にうんざりしているので記事を書いてみた

投資と投機の定義

投資が良くて投機が悪いなんて事はない。
この2つは似ているようで別な物というだけだ。
投資は価値あるものを入手しようとする行為で、投機は価格変動から収益を得ようとする行為だ。

バリュー投資

割安株投資というのは完全に誤訳だと思う。
バリューとは日本語で価値の事だ。
事業の価値とは将来得られるキャッシュフローの総和を現在価値で割り引いたものになる。(DCF法)
入手できる様々な情報から将来キャッシュフローを想定し価値を算出する。
機械設計で安全率を設定するように、算出した価値に安全率を掛ける。
マージン込みの価値よりも安い価格なら買い、価値よりも高くなれば売りだ。
バリュー投資の説明をここまで書いたが、この説明の中にPER、PBRは一切出てこない。

DCF法では成長率を高く設定すると、価値が大きくなる。
そのため、高い成長率を誇る企業を好んで買うグロース株投資家と、高い成長率により高い価値がつき、価格が価値よりも安い成長企業を買うバリュー投資家の購入対象が一致することは大いにある。

将来価値に対して今の価格が安い物を買うという視点で両者は一致している。
購入対象が一致するのは当然だろう。

割安株投資

割安株投資というと、PER、PBRが市場平均よりも低い株を買って値上がりしたところで売るという手法が一般的とされている。
株価には平均回帰性があるので、平均より低い指標が元に戻る事に賭けている。
株価指標の変動に賭けている。
これは本質的には投機だ。
なぜなら、価値ではなく変動に賭けているから。

彼らは私のようなモメンタム投資を行っている人を投機家と蔑んでいるが、彼らも同様に投機家だと私は思う。
彼らの中では根拠も無く株価指標の平均回帰性に賭けるのは投資であり、株価変動トレンドが続く事に賭けるのは投機になるらしい。
何を言っているかさっぱり分からない。
投資が良くて投機が悪のような間違った固定観念があるから、このような矛盾した結論を導き出してしまうのだろう。

現実を直視してください

彼らが直視しない現実を列挙してみる。

・グロース株は割安株に比べて下落耐性が無い
⇒割安株の多くはGAFAを筆頭とするグロース株よりも大きな下落

・景気後退局面ではディフェンシブ株優位となる
⇒グロース株を多く含むNASDAQは最高値、一方で割安株が多いダウは年初来マイナスのまま。

彼らが心中覚悟で握っていたポートフォリオは良くて年初来マイナスであり、多くは退場しているのだ。
一方で、彼らが馬鹿にしている投機家は、下落の初期段階で被害を最小限に食いとどめ、上げ局面で成長株を買って大いに儲けている。

完璧な人間など存在しないので、間違える事は恥ずかしい事ではない。
しかし、目に見える形で持論の間違いが示されているにもかかわらず、それを直視せずに、一向に間違いを認めようとしないのは愚かだ。

だいぶ気が済んだので、頑迷な割安株投機家は無視して、自分のやるべきことに集中したいと思う

P.S

今回の記事はバリューvsグロースでグロース優位性を主張するための記事ではありません。
株式市場に資金を投じる目的と手段は様々です。
本来、投資とは一人で行う物であり、他人との比較は無意味です。
本人が設定した目的を達成していれば、その人の投資は成功であると私は考えます。
今回の記事はグロース株投資に対する割安株投機の優位性を声高に叫ぶ割に、目の前の現実を受け入れようとしない頑迷な投資家への皮肉を込めて書いた記事であり、特定の投資スタイルを陥れるものではありません。